インプラントの寿命はインプラントが一般的には撤去されるまでの残存期間のことを指しインプラントの成功率とは異なる。
インプラントの成功の基準については、1998年のトロント会議でのコンセンサスレポートにより、
①インプラントは、患者と歯科医師の両者が満足している。
②インプラントに痛み不快感、知覚の変化、感染の兆候がない。
③臨床的に診査するとき、個々の連結されていないインプラントは動揺がない。
④機能下1年以降の経年的なインプラント周囲の垂直的骨吸収は0.2mm以下である、
が挙げられている。
いわゆる埋入したインプラントが何年間口腔内で残存・機能するかという問いには(いわゆる寿命)、現在の研究報告を見る限り適切に回答することは困難である。加えて、インプラントの残存率は埋入部位および埋入条件により異なるが、システマティックレビュー等を参考にしたところでは部分および全部欠損症例における10~15年の累積生存率は上顎で約 90%程度、下顎で 94%程度である。また抜歯即時埋入や骨移植を伴った埋入では若干生存率が下がるものの87~92%程度である。
インプラントの寿命はどれくらい?