歯や口腔は、摂食、咀嚼、嚥下や発音、表情づくりなど、人が生きていく上で大きな役割を果たしている器官であり、口腔の健康は全身の健康にも影響を及ぼすと言われています。インプラント治療とは、診療費用を全額自己負担する自由診療ですが、残存歯への負担や侵襲がより少なく、審美的な回復も可能である等の利点から、歯が欠損した場合に生活の質『Quality of life:QOL』を向上させることができる有効な治療法の一つです。
平成16年国民健康・栄養調査結果によると、歯が抜けたところの治療法としてインプラントを装着している人の割合は10.2%にのぼっており、平成20年医療施設調査結果によると、全国の歯科医療機関の21.5%でインプラント治療が行われています。
一方、全国消費生活情報ネットワーク・システムには、歯科インプラント治療により被害を受けたという相談が増加傾向にあります。相談内容の多くが、治療上生じた問題によって日常生活にまで影響が及んでいるという相談が目立っています。
長きに渡りインプラント治療に携わってきた者として、大変心苦しい状態になっているのが実情です。
インプラント治療を受けたくても、歯科医院選びに困っている人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
患者さんが医師の技術や知識を見極めるのは大変難しいと思います。
私たちは、なるべく患者さんが安心してインプラント治療を受けていただけるよう、複数の医師、スタッフが診断・治療に携わるチーム医療体制を整えております。
一人ひとりの患者さまに合った治療は、担当歯科医の力だけでは成り立ちません。当院では、優れた医療スタッフがプロジェクトを組み、患者さまと三位一体となったチーム医療を実践しています。
1人の患者さんに対して、インプラント専門医や矯正専門医、麻酔専門医、歯科衛生士、審美歯科に特化した技工士など、優秀なスタッフが携わります。各専門分野のエキスパートが連携し、協力し合いながら治療を行っていきます。
治療が始まると各分野の専門家が一つのプロジェクトチームを組み、意見を交わしながら診療方針や治療計画を決定します。さまざまな見地から治療方法を検討していくことで、治療の質が向上し、満足のいく治療へとつながります。
私たちが考えるチーム医療とは、単に各分野の専門家が集まり、高いレベルの治療を患者様に提供するだけではありません。もちろん高いレベルの治療をご提供することは医療人として当然ですが、それだけでは「チーム医療」とは言えません。
「本当のチーム医療」とは、質の高い治療をチームで提供するとともに、その質を維持させるための院内体制を構築させ初めて達成されます。
高度なレベルでインプラント治療をする場合、歯科に関する様々な分野の知識・経験を駆使する必要があります。例えば、補綴学、咬合学、歯周病学、解剖学、麻酔学、外科学など。技術の進歩もあり、インプラント治療自体は難しくなくなっています。しかし、それだけでは、治療後に様々な問題が生じる恐れがあるとともに、治療結果に大きな差が生まれます。
当院の「チーム医療」が作り上げられる要素をご紹介させて頂きます。
日本歯科麻酔学会認定の専門医である歯科麻酔医が静脈内鎮静法を行い、歯科治療に対する恐怖や精神的な緊張を感じる方、高血圧などの内科的な持病をお持ちの方の不安を和らげ、リラックスした状態で治療を受けられるようになります。 全身麻酔ではない為、意識が完全になくなるのではなく、寝ぼけているようなボーッとした状態になる為、簡単な受け答えが可能です。
インプラント治療でお口全体のバランスを考えながら治療する場合「歯を矯正で動かす」必要が出てくるケースがあります。
その場合はインプラント担当医と連携しながら治療を進めるのですが、インプラント治療を熟知した矯正医が担当することで、より理想の状態でインプラント治療が可能になります。
歯科衛生士がインプラント治療前にすることで重要な任務は、まずひとつに器具の滅菌とその準備です。そして、手術中の状況を見極めながらドクターにすばやく的確に器具を受け渡すことが大切です。この衛生士とのあうんの呼吸が、インプラント手術の時間に大きく影響します。清潔域と不潔域でのサポートをする衛生士さん、または歯科助手との連携も的確でなければなりません。
歯科医師との連携、また、場合によっては患者さんともコミュニケーションをはかり、患者さんの意向をお聞きし、そのケースにあった歯を制作いたします。
インプラントを埋入した後、被せ物などを製作し見た目や噛み合わせの重要な役割を担います。ある意味、歯科技工士の技術によって、インプラント治療のゴールは大きく左右されるといっても過言ではありません。